2013年11月18日月曜日

「イライラを引きずらない!「怒り」の上手な伝え方」を考えることは、結局は自分を知るっていうことが鍵だということが分かる一冊

「怒り」の上手な伝え方

タイトル通り、「怒り」について扱った本。スタンスとしては、腹が立つのは自然なことで怒ってもいいけど、そこで湧いてきた「怒りの感情」にどう対処するかというところを重視。

「アサーティブ」という言葉で表現されているけど、「人を傷つけるわけでもなく、自分が我慢するわけでもない怒り方」(p41)で、建設的に素直に表現するということ。

アサーティブに伝えるために気をつけるポイントとしては次の3点。
1)「行動」「状況」にフォーカスする
2)「本当の気持ち」を言葉にする
3)「何がどう変わってほしいか」を伝える
(p89)

例としてはこんな感じ。

「理由を示されないまま、結論だけ言われることがイヤなの。ちゃんと理由を説明してほしい」
「相談がなかったことに腹が立ったの。これからは決める前に、私にひと言話してほしい」
「とても不愉快だわ。そうじゃなくて、思ったことは私に直接話してほしい」
(p95)

考え方の部分はよく言われていることでもあるけど、相手の事情を考えてみるとか、変えられることにフォーカスするとか、これで世界が終わるわけでもないと考えるとか、怒りの対象は「相手」ではなく「問題」であると考えるとか。

相手への対処の仕方もあるけど、まずは自分自身を知るっていうことが大事なんやなーと思った。本書でも、まず冒頭に自分がどういう「怒り方のクセ」を持っているのかという診断がついている(すぐ感情的になるタイプ、イヤミな感じになったりその場では表現せずに後々復讐するタイプ、怒りを抑えて貯めこんでしまうタイプ等)。

また、後ろの方の章では丸々一章使って「批判されたときの対処法」が整理されている。これもテクニックとしての言葉遣いとか間の取り方とかはあるけど、大事なのは自分の「心の急所」とか、自分の感じ方を知ること。

怒ったりイライラしている時に、「なぜ、腹を立てているのか」を自問するという話があった。例えばこんな感じ。

・「今日イライラしている」のは?  - 疲れているから
・「上司の言葉にムッとした」のは? - 突然でショックだったから
・「後輩に怒っている」 のは? 期待を裏切られてガツカリしたから
・「パートナーの言葉にカテンときた」のは? - その言葉に傷ついたから
・「子どもの行動が頭にきた」のは? - 心配したから
・「思わず言い返した」のは? - 否定されたようで悔しかったから
(p79-80)

怒ってる時にそんな余裕はないよなーと思ったけど、確かに意外になんで腹を立てているのかって自分でもあんまり見えてない時あるよなーと思った。

あと、1つ印象に残ったのが以下の話。

■過去は過去、今を生きるために
「誰かに猛烈に腹を立てているとき、ふと気づくと、過去の別の人のことを思い出していたとか、同じような怒りのパターンを身近な関係でくり返しているな、と気づいたときは、こう自分に問いかけてみましょう。
「自分が怒っている対象は、本当にこの人なのだろうか。過去の問題をくり返しているのではないだろうか」 と。
実は、目の前にいる上司に父親の影を重ねていたり、先輩が以前のいじめっ子のように感じられて、その人の行動や振る舞いに過剰に反応している、という場合もあるのです。
過去、怒ることができなかった無力感を、今の関係の中で癒そうとしても、やっぱりうまくいきません。
今の怒りが、過去に傷ついた経験がもとになっていて、その傷をどうしても癒すことはできないと感じる人や、怒りがいったん吹き出すと止まらないという人は専門家に相談して、過去の傷を癒す試みをされることをお勧めします」
(p78-79)

専門家に相談するまでかどうかは別としても、なんか分からないけど怒ってしまったというような時って、無意識になんかの過去の経験に触れて怒りが吹き出しているっていうこともあるのかもなーと思った。やっぱ自分を知るっていうことが1つキーなんやなーと思った一冊やった。

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