2015年3月17日火曜日

コクヨに限らず役に立つ「コクヨの3ステップ会議術」

コクヨの3ステップ会議術

前読んだ本に日産の会議術みたいな本があったけど、最近こういうの流行ってるんやろか。こちらは「コクヨの」と銘打ってはいるけど、すべて一般的に通じる内容。内容は他の会議本と通じるところも多いけど、図解もあって例も具体的でわかりやすい。ポイントもよくまとまっている感じ。

改めての内容も多いけど、いくつか特に印象に残った点。

■「発散」と「収束」を分ける
いろんな意見やアイデアを出す「発散」と、出された意見を取捨選択して結論を出す「収束」とを混ぜない。
「会議がうまくいかない最大の原因が、この「発散」と「収束」を混ぜてやってしまうことにあります」(p18)

これホント大事と思う。もともとこの区分を知ったのは別の本でそれ以来意識するようになったけど、この2つを意識するだけでもかなり大きい。

定例会議とかがこういうのに陥りやすくて、報告している最中に議論が始まったりして、後のアジェンダがなあなあになったりする上に、途中から議論し出すと議論の効率も良くないし目的やゴールも曖昧だったりする。そこを明確に分ける。

同様に、会議自体の性格も「創造会議」か「定型会議」かを分けられる。
 創造会議…アイデア、創造性を求める会議
 定型会議…情報共有が主目的で、創造性はあまり必要でない会議
(p22)

自分が参加していたある会議では、報告とそれ以外(検討・相談・調整・共有)の項目を分けるようになってから、それまで2時間とかかかることも珍しくなかったのが、だいたい1時間以下に収まるようになったりした。変えたのは、報告なのかそうじゃないのかを分けて、後者は全部報告が終わった後にまとめたことだけ。アジェンダの中身はそんなに変わってないと思うけど、それだけでも結構違った。そのへん改めて大事やなーと思ったり。

■会議のマネジメント
以下の3つのポイント。
・アイデア・マネジメント…参加者から発言を引き出す
・タイム・マネジメント…時間内に結論を出す
・チームワーク・マネジメント…会議の空気をつくる

会議の有効性を高めるとか効率化というと、なんとなくタイム・マネジメントのイメージをしてしまうけど、他の2つをしっかりやることによって結果的に時間も効率的になるのかなーとも思ったりした。

■アイデアの引き出し方:「常識」を並べてみる
これはこの本で初めて知ったアイデアで面白いなーと思った。例えば、残業削減をしたいときに、いきなり残業削減のアイデアを出すのではなく、まず残業に対する常識を考えてみる。

「繁忙期の残業は仕方ない」とか「上司が残業してたら部下も手伝う」とか「企画は時間がかかるからいつも残業になる」とか。そうすると、常識によってアイデアの幅が狭くなっていることがわかり、それを外すことでアイデアが出てくるという発想法。

■決定を行動につなげる「まとめ」をする
本書でも書かれているけど、会議をやっても意外にまとめをせずにふわっと終わることがあったりする。役割分担や未決事項に対する宿題が曖昧なままで結局進まなかったりということもあったり。

「やることが決まれば自然と実行されるのではなく、誰が何をやるかまでしっかり決めるから実行されるわけです」(p182)

さらに言えば、これに「いつまでに」というのも重要で、このへん曖昧だとまた同じ話が繰り返されたりするので注意やなー…


上記の他、進行役と板書役は分けたほうがいいかとか、タイム・キーパーと進行役は分けたほうがいいかとか、ホワイトボードの使い方とか、モニター表示とホワイトボードのどちらが良いかとか結構実践的な内容も。

「おわりに」では、会議はリーダーシップを身につける場として有効ということも書いてあった。別に進行役やファシリテーターとしてアサインされていなくても、誰が仕切るかよくわからなかったら積極的に自分から進行役を買って出ましょうという提案。

「「誰もいなければ、自分で会議を乗っとろう」というぐらいの気概を見せ、挑戦することが自己成長につながるよい機会となるはずです」(p184)

他にもいろいろと参考になったりいい振り返りになったりするポイントがまとまっていて、始めて会議について何か取り組んでいくときに一通りポイントをつかむのにも良いし、手元においてパラパラ参照するのも良さそうな一冊やった。これまでいくつも会議本読んできたけど、この本は結構おすすめ上位かも。

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