赤ちゃんの心と出会う: 新生児科医が伝える「あたたかい心」の育て方
新生児科医として40年以上の経験をもつ著者が、新生児医療の中で赤ちゃんやお母さん達から教わった子育てのヒントを、現在子育て中の方のお役に立てたいという想いから書かれた本。
子育てに一番大切なのは運動や勉強ではなく「心のやさしい子どもに育てることである」(p6)というのが主な趣旨。これだけ読むとふーんという感じやし、書かれていることも他の本でも似たようなことは言われたりしている。ただ、実際の現場、臨床経験が背景にあって、具体的な実例から語られていて内容が入ってきやすい。
キレイゴトではなく、新生児医療で結構シビアな話も。第1章の冒頭も「「赤ちゃんに愛情がわかない」と言ったお母さん」(p12)というタイトルだったり。出生前診断の話とかもQ&A形式で語られていて、著者の考えが述べられているけどあんまり押し付けがましい感じではない。
1つ印象に残ったのが、ディベロップメンタルケアの話。新生児医療では、医療的な管理や医療従事者の観点が重要視されていた。何か起きてもすぐに対処できるように照明が常についていてモニターも音がたくさん。それはもちろん大事なんやけど、そうすると、必ずしも赤ちゃんにとってはやさしい環境ではない。例えば、光が明るすぎたり、音がうるさすぎたり。そういう観点も含めてケアをしていこうというもの。
あと、赤ちゃんが泣きやむあやし方っていうのが結構実践的で参考になった(p106-112)。特に父親向けに紹介されていた。
・抱く前に赤ちゃんの目を見ながら「◯◯ちゃん、可愛いね」と話しかける。
顔を見ながら「抱っこしようね」などと声をかけて、タオルやおくるみで体を包んで抱き上げる。
声をかけながら静かにゆっくりと揺らす。おしゃぶりも有効。
・「全部わかっている」と思って話しかける
話が全部わかっていると思って話しかける
言っていることはわからなくても雰囲気で伝わる
・45度くらいの角度で抱いてゆっくりゆらす
赤ちゃんの頭を45度くらい立てて顔を見ながら前後にゆっくり揺らす
=羊水の中で浮かんでいたときの感覚に近づける
・「シー」という音を出す
テレビの砂音やスーパーの袋のガサガサと同じようなもの。
歯と歯の隙間から「シー」と音を出す
・視野の中に顔を入れる
生後1ヶ月くらいの赤ちゃんの視野は商店がよく合うのは20cmくらい
書いていてなんで読みやすかったのか気付いたけど、結構父親向けの話も入っていたからかと思う。また、母親と父親の違いも踏まえつつ、共通的な土台として大事なことというところがメインの話でもある。母性の話だけでなく父性の話もあったり。
母性というとなんとなく自然に備わっているようなもののような感じでとらえてしまいがちやけど、「母性とは子育てすることによって引き出される性質」(p158)と述べられている。実例として、子どもに愛情がわかずに里子に出そうとしていた母親の方が、子供のケアをすることによって母性が生まれてきたこともあげられていたり。父性も同様で、出産前から両親学級に通ったり出産後にケアを実際にする中で芽生えてきたりと。これは自分自身もそうやったから確かになーと思った。
臨床経験や脳科学的な話などの具体的なトピックもありつつ、ベースはやはり表題にあるように「あたたかい心」の話。結局は子育てのあり方は100人100通りなので愛情をもって育てていけばというところにまとめられてしまうんやけど、新生児医療の現場でポジティブ、ネガティブいろんなケースを見てこられた方の言葉なので重みがあるなーと感じた一冊やった。
新生児科医として40年以上の経験をもつ著者が、新生児医療の中で赤ちゃんやお母さん達から教わった子育てのヒントを、現在子育て中の方のお役に立てたいという想いから書かれた本。
子育てに一番大切なのは運動や勉強ではなく「心のやさしい子どもに育てることである」(p6)というのが主な趣旨。これだけ読むとふーんという感じやし、書かれていることも他の本でも似たようなことは言われたりしている。ただ、実際の現場、臨床経験が背景にあって、具体的な実例から語られていて内容が入ってきやすい。
キレイゴトではなく、新生児医療で結構シビアな話も。第1章の冒頭も「「赤ちゃんに愛情がわかない」と言ったお母さん」(p12)というタイトルだったり。出生前診断の話とかもQ&A形式で語られていて、著者の考えが述べられているけどあんまり押し付けがましい感じではない。
1つ印象に残ったのが、ディベロップメンタルケアの話。新生児医療では、医療的な管理や医療従事者の観点が重要視されていた。何か起きてもすぐに対処できるように照明が常についていてモニターも音がたくさん。それはもちろん大事なんやけど、そうすると、必ずしも赤ちゃんにとってはやさしい環境ではない。例えば、光が明るすぎたり、音がうるさすぎたり。そういう観点も含めてケアをしていこうというもの。
あと、赤ちゃんが泣きやむあやし方っていうのが結構実践的で参考になった(p106-112)。特に父親向けに紹介されていた。
・抱く前に赤ちゃんの目を見ながら「◯◯ちゃん、可愛いね」と話しかける。
顔を見ながら「抱っこしようね」などと声をかけて、タオルやおくるみで体を包んで抱き上げる。
声をかけながら静かにゆっくりと揺らす。おしゃぶりも有効。
・「全部わかっている」と思って話しかける
話が全部わかっていると思って話しかける
言っていることはわからなくても雰囲気で伝わる
・45度くらいの角度で抱いてゆっくりゆらす
赤ちゃんの頭を45度くらい立てて顔を見ながら前後にゆっくり揺らす
=羊水の中で浮かんでいたときの感覚に近づける
・「シー」という音を出す
テレビの砂音やスーパーの袋のガサガサと同じようなもの。
歯と歯の隙間から「シー」と音を出す
・視野の中に顔を入れる
生後1ヶ月くらいの赤ちゃんの視野は商店がよく合うのは20cmくらい
書いていてなんで読みやすかったのか気付いたけど、結構父親向けの話も入っていたからかと思う。また、母親と父親の違いも踏まえつつ、共通的な土台として大事なことというところがメインの話でもある。母性の話だけでなく父性の話もあったり。
母性というとなんとなく自然に備わっているようなもののような感じでとらえてしまいがちやけど、「母性とは子育てすることによって引き出される性質」(p158)と述べられている。実例として、子どもに愛情がわかずに里子に出そうとしていた母親の方が、子供のケアをすることによって母性が生まれてきたこともあげられていたり。父性も同様で、出産前から両親学級に通ったり出産後にケアを実際にする中で芽生えてきたりと。これは自分自身もそうやったから確かになーと思った。
臨床経験や脳科学的な話などの具体的なトピックもありつつ、ベースはやはり表題にあるように「あたたかい心」の話。結局は子育てのあり方は100人100通りなので愛情をもって育てていけばというところにまとめられてしまうんやけど、新生児医療の現場でポジティブ、ネガティブいろんなケースを見てこられた方の言葉なので重みがあるなーと感じた一冊やった。
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