2013年8月6日火曜日

「とことんやれば必ずできる 創造力が目を覚ます」から企画の仕事の効率、思いやり、ビジネスにおける「謙虚」について

とことんやれば必ずできる  

マックからマックへと言われたように、アップルからマクドナルドに転職された原田さんの著作。仕事論的な内容で、1テーマ3-4pくらいで、主に仕事に臨む姿勢について語られている。

書かれている内容自体は、ビジネス書や自己啓発書でよく書いてある内容ではあるけど、原田さんの経験ならではの視点もあって面白かった。

特に印象に残ったのは以下の話。

■企画の仕事は人数を減らしたほうが効率が上がる
「企画を考えて実行する「仕事」が時間通り進まないとしたら、人数を減らして、一人ひとりの社員の生産性を上げるほうが得策です。
 嘘だと思う人も多いでしょうが、これは本当の話です。
 たとえば、マクドナルドが店舗を増やせば、それだけ店長やクルーの数を増やさなければなりませんが、マーケティングや、商品企画の部署には関係ない。大切なのは、企画から実行までの仕事をいかに効率的に進め、現場に浸透させていくか、それだけです。
「四人よりも二人で取り組んだほうが四分の一の時間ですむ」
 こういうケースが多いのです。人数が倍になれば、議論する時間が四倍になるからです。」
(p27)

もちろんケースバイケースの部分はあるとしても、1人2人に任せてしまえば良いようなことも何となく大人数で議論して結構時間がかかることってあるので、割り切りは必要かなと思った。


■思いやり
もう1つ、これはちょっと違った角度でもあるけど、思いやりについての話。お母さんすごいなーと思った。

「大切な思い出があります。高校に入学したときに祖父から買ってもらった新品の自転車を盗まれたときのことです。
 買って一週間で盗まれたのですから、私は大きなショックを受けました。後日、盗んだ少年はつかまり、私は彼と警察で対面しました。彼を前にまた悔しさが蘇り、こぶしを固めたことをいまでも覚えています。その気持ちを察したように、刑事さんが「殴っていいよ」と言うのです。しかし、私が彼に殴りかかろうとしたそのとき、
「この子がどうしてあなたの自転車を盗んだのか、その気持ちを思いやりなさい。好きで盗んだわけではない、欲しくても自転車が買えない、そのつらさを理解できなくてどうするの」
 とおふくろに一喝されました。
 思いとどまって黙っているとやがて、おふくろはその男の子に羊奏を差し出し、私の無礼を詫びたのです。どんな人であれ、悪いことに手を染めるのには事情がある、そうせざるをえなかった気持ちを思いやる優しさを持たなくてはいけないと、その姿を見て、私は思いました。
 数々の災難に遭ったおかげで、感謝の気持ちや人に対する思いやりを学ぶことができたと言いますか、本当にいい経験になったと思っています。」
(p70-71)

上記の他、グローバル企業の日本法人という立場からの話もあって、そのあたりは自分も海外の相手とやりとりする機会に感じることと重なるところも多く、参考になった。具体的には、ビジネスにおいて特にアメリカ人相手には「謙虚」は通用しないという話。


■ビジネスに「謙虚」は通用しない
「とにかくアメリカ人は、「謙虚」を受けつけない国民性なので、前向きな発言が求められます。プレゼンのところでも触れましたが、
「問題だ、問題だ」
 と問題点をあげつつ、
「だからこうしたい」
 というストーリーも好みません。
「ここにビジネスチャンスがあるから、こう取り組みたい」
 と最初から具体的に言わないと、そっぽを向いてしまうときもあります。逆に、日本でビジネスをする場合、アメリカ人は戸惑います。
「I am so committed(必ず、やってのけます)」
 と言うと、日本人には自信家でイヤなヤツだ、眉唾モノの約束になるのではないか、といった印象を与えてしまうからです。
「Will you let me try?(チャレンジさせていただけますか?)」
 と謙譲語で言ったほうが、商談がスムーズに運びます。これはもう、日本とアメリカのどちらがいい悪いではなく、単なる文化の違い。互いの国民性を理解して、使い分けることがポイントでしょう。
 グローバルにビジネスを展開していく場合、こういう文化の違いを理解して、コミュニケーションをとる能力もまた、求められます。」
(p161-162)

日本人的ということなのか、自分も、課題を先に話してその後にそれに対する対策みたいなのを話していたけど、そうすると、「結局良い方向に行っているのかそれとも悪い方向に行っているのか、どうなの?」っていうことを聞かれたことを思い出した。その時はアピールの意味もあって全体としては良い方向に行っているよという話をしたら「OK」という話だったけど、上の話とも通じるなと思った。

仕事に臨む姿勢だけでなく、人への接し方についても参考になるポイントが詰まった一冊やった。

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