2013年7月28日日曜日

「デンマーク国民をつくった歴史教科書」を通じていろいろ考えた

デンマーク国民をつくった歴史教科書

「デンマーク国民をつくった歴史教科書」読了。原題は「子供に語るデンマークの歴史」で、20世紀の前半に半世紀ほどにわたって使われたデンマークの歴史の教科書を訳出した本。

知らない名前も多いので覚えるのは大変やけど、子供向けと言うこともあって結構読みやすい。抒情的な表現も多いけど、偏りを差し引いて読めばむしろイメージしやすかった。

デンマークの歴史とか知らんことばっかりやろうなーと思って読んでみて、実際に新鮮な話が多かったけど、一方まったくイメージのつかない話ばっかりでもなかった。よくよく考えると当たり前なんやけどヨーロッパに位置しているので、世界史で習うようなメジャーな話もからんでくる。

また、ヴァイキングの話はさすがに世界史の中でも習ってた気がするしわりといろんなところで題材としても扱われているのでなんかなじみがある感じがした。しかしまあ淡々と書かれてるけど、戦いに次ぐ戦いですごい流血の歴史の感じ。このあたりはヴァイキングを扱った漫画「ヴィランド・サガ」でも描かれているけど、ホントそんな感じやった。

あと別の角度の話では、周囲の国との関係っていうのは結構流動的やったんやなーっていうのも改めて思った。スウェーデンとは敵対している期間も多かったけど、逆にノルウェーとは統合されていたり同君連合を形成していたり。南部の方はドイツと統合を求める声があったりなかったり、勢力範囲も頻繁に変わったり。

現代からみると、今の国境線を軸にして考えがちやからこのあたりの話を聞くと意外に感じてしまったりするけど、そもそも今の国境線での体制っていうのは歴史の時間軸でみれば短い時間のものでしかないから、そのあたりはもっと長い時間軸で見ていかんとなーと思った。

決して大きな国でもなく、自国の資源が豊かではなくて他国との関係が重要な国であるところは日本とも通じる気がするので、また機会があったらいろいろ見てみたい国の1つやなーと感じた一冊やった。

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