第8の習慣 「効果」から「偉大」へ
「7つの習慣」の著者による本。7つの習慣もそんなに読みやすい本ではなかったけど、この本は輪をかけて読みづらかった。
なんとか読み終えたけど、結局第8の習慣が何を指しているのかもイマイチはっきりせんでぼんやりしてる。
ただ、7つの習慣の総まとめみたいな感じの内容にもなっていて復習になるし、他にも具体例がたくさん紹介されていて、書かれていることはその通りやよなーっていう内容があって、それもそれで良いリマインドになった。
■第8の習慣とは
第8の習慣が何かっていうと、リーダーシップや人への働きかけに関するもので、以下のように書かれている。
「自分自身のボイスを発見し、それぞれのボイスを発見するよう人を奮起させる」(p57)
「「第8の習慣」とは、リーダーシップを発揮することであり、それは相手にその人の価値や潜在能力をはっきりと伝え、本人が自分の中にそれらを見いだせるようにすることである」(p392)
また、7つの習慣のうち、1-6番目までの習慣は以下のように整理されている。
- 1-3つ目の習慣…約束をして、それを守る
- 4-6つ目の習慣…問題に関係者を巻き込んで、いっしょに解決策を練る
4つのインテリジェンスっていうのが1つのキーワードになっていて、その4つは以下。
- 知的インテリジェンス
- 社会・情緒的インテリジェンス
- 肉体・経済的インテリジェンス
- 精神的インテリジェンス
この中では、特に、精神的インテリジェンス、すなわち良心を重視しているとのこと。結局良心かい!っていう感じやけど、そもそも7つの習慣は人格主義をベースにしてるので、それを考えればそうかなーと思った。
こういうところもあってか、本書の内容は全体的には道徳の教科書みたいな感じ。言っていることはほとんど正しいことやと思う。ただ、正しすぎるというか、正論すぎるので若干読みづらいのかも。
もちろん、中には面白いポイントも結構あった。
■相手が人間の時は時間がかかる
紹介されていた話の中で特に印象に残ったのは以下の話。
「人や文化が相手の場合は、焦ってもすぐにはよい結果は生まれず、逆に時間をかければ結果的にスムーズにことが運ぶのだ。モノが相手の場合は、これは当てはまらない。早くやればそれだけ早く結果も出る。相手が人の場合は、能率やスピードが非能率的なのである」(p309)
会議とかでも思うんやけど、効率化できる部分とそうでない部分がある。特に、アイデア出しとか創造性が求められる時とか、コミュニケーションの場としての機能を果たしている時とかは無理に効率化しようとすると、あまり良い雰囲気にならないことがある。
人や文化を相手にする時は時間がかかることをある程度覚悟して我慢することというか、忍耐が重要な気がする。
これと関連するのが以下の話で中国の竹の物語。
「ある種の中国産の竹は、植えても四年間は何も目に見えるものが育ってこない。ほんの少し地面から先が出ているだけである。草を刈り、水をやり、耕し、肥料をやり、立派に育つようにと、できる限りのことをしても、何も見えてこない。五年目に、この特殊な竹は二五メートルもの高さまで成長する。それまでは地下で根が成長するだけなのだ。そして一度しっかりと根を張ったら、今度はすべてが地上で起こるようになる。何も起こらないじゃないかと冷笑する連中に対して、実はずっと地下で根が成長していた証しとなるのだ。これと同様に、人格の発達でもまず個人レベルが先で、人と人との相互関係の中で信頼を築くことよりも優先される。そして人と人との問で信頼関係を築くことは、組織の中で、文化を築いていくことに先立って行われる。そうしてはじめて、組織は実際に最優先事項を実行することができる」(p467)
文化を築いていくとか、組織づくりとかについて考えていく時にこういう視点を持っておくと変に焦らずに済むように思った(もちろんスピードは大事だし速くできるにこしたことはないけど)。
上記以外にも、リーダーシップ理論の文献概要とか、リーダーシップとマネジメントの違いとかを整理した表とかがあって、リーダーシップについて考える時に読み直すと参考になりそうやと思った一冊やった。
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