2013年3月20日水曜日

「マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション」は見た目によらず結構深い、でも、わかりやすい

マンガでやさしくわかるNLPコミュニケーション

実践的な心理学、脳の取扱説明書といわれるNLPについて、テーマをコミュニケーションにしぼってマンガで解説した本。マンガの絵もきれいでストーリーも分かりやすい。

また、マンガで親しみやすい感じはしつつも内容は結構深い。著者自身も「いい意味で皆さんを裏切る実用的なNLP入門書となりました」(p5)と書いている。

内容について、特に前半部分の概念の説明は他の本でも述べられている内容やけど、マンガのストーリーとあわせて解説されるので復習としてもまた違った確度で学び直せる。


■承認するということの本質
興味があってこの本の出版記念セミナーに参加してきたけど、そこで最も強く述べられていたのが、人間の本質を理解するということの重要性。

ペーシングのテクニックとかよりも、人間の本質を理解し、相手を肯定・承認することの重要性が熱意を持って語られていた。

例えば、学校や職場での問題児や凶悪な犯罪者とかであっても、問題を起こしているそのワンシーンだけをみるのではなく、生い立ちから育ってきた環境や経験を踏まえてその人の人生全体という長いスパンでみてみると、そういう行動をとらざるを得なかったことが理解しやすくなる。

そうすると、相手に対するネガティブな気持ちが消え、相手も心をひらいてくれる。相手に対してネガティブな気持ちを持ったままだとなんとなくそれが相手にも肌感覚で伝わり関係がうまくいかない。

なので、まずは相手を受け入れて承認することが大事であって、それに比べればテクニックはどうでも良いというようなことがキッパリ述べられていて心に残った。

セミナー後、本書を読んでいたら最後の方にその点が書かれていた。

「たとえ誰もが正しくすばらしいと思うような変化を促す際にも、まずは、今のその人の立場や気持ちを否定せずに理解を示してあげてほしいのです。「相手のため」と、自分の立場の正義から変化を強要しないでほしいのです。このようにペーシングの真髄は、今のその人を尊重する姿勢にあるのです。ペーシングを「変化させる(リーディング)のための道具」と考えているとうまく機能しません。」(p226)

「「承認(スポンサーシップ)」の本質的意味は「人間を受け入れる姿勢」を指します。この場合の「受け入れる」とは価値判断なし(善壷の判断をしない)に相手と接することを指します。これは究極の安全を提供することになります。なぜなら、いかなる判断もなしに受け入れられるということは、ありのままの自分を全部丸ごと受け入れてもらっている状態だからです」(p236)

自分が嫌だなーと思う人であっても、長いスパンでみるとまた違ったものが見えてきて否定的な気持ちも解消しやすくなると思うのでこの点は心に留めて心がけておきたい。


■関連情報
キーワードとして出てくる、体験と言葉、空白の原則、一般化の原則、省略・歪曲・一般化、ペーシング、ラポールといった言葉は以前読んだ本でも出てきているのでそちらを参照しておくとさらに学びが深まって良いかも。

自分がこれまで読んだ中では以下のあたりとか。




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