2012年12月16日日曜日

思考を「あたりまえ化」することによる「絶対達成マインドのつくり方」

絶対達成マインドのつくり方―科学的に自信をつける4つのステップ―

「自信をつけるのにモチベーションは100%必要ない!」という帯のコメントが目を引く本。

著者自身が35歳から大きく人生を変えてきた経験や現場でのエピソードを元に、「科学的に自信をつける方法」を紹介している。


■「自信」に関する誤解
冒頭で、「自信」というものに関して、多くの人が誤解していることとして次の2点をあげている。
  1. 自信をつけるのに「モチベーション」は100%必要ない(p3)
  2. 「手っ取り早くうまくいく方法」はなくても、「手っ取り早くうまくいく状態」にすることはできる(p4)
自信がないからモチベーションがわかない…行動できない…うまくいかない…のではなく、その逆であるという発想。


■「あたりまえ化」
紹介している思考はシンプルで「あたりまえ化」というもの。

目標達成をあたりまえとしてとらえることで、「モチベーション」や「やる気」に関係なくそれに向かってどう達成すれば良いか創意工夫をし、淡々と行動をやりきることで自信や結果につながり、さらにはそれが周囲との協力関係にもつながり、安定的に結果を出せる状況を作り出していけるという流れ。

こう書くとあたりまえのことを言ってるように見えるんやけど、ポイントとしては、目標達成を「あたりまえ」のものとして芯からとらえられているかどうか。

いくら目標があっても、まず「そんな目標無理だよ…」とか目標自体の妥当性に疑問を持ったり、商品や人のせいにしたり、競合や景気等の外部環境のせいにしてみたりといろんな「ノイズ」が入ってくる。

そういった「ノイズ」に惑わされずに、目標をいかに「あたりまえ」のものとしていくかということが1冊かけて説明されている。


■「あたりまえ」に考えるということ
「あたりまえ化」するということがどういうことかという点に関連して、「考える」回数という話が参考になった。

これは著者自身の経験で、会社で自分の目標が、去年まで8千万円だったのにいきなり1億円に上がった時の話。

すぐに無理だと考え、あるコンサルタントに相談したところ、目標を達成するための1年の間に、また、目標を言い渡されてからその時までの間に、どれだけの回数、どうやって目標を達成するか考えたか問われる。

著者は、目標を言い渡されてからすぐに無理だと思ったため、どのように1億円を達成しようかと「考えた」回数はゼロ回だということに気付かされ、言葉を返せなくなる…

これが、1億円の売上目標ではなく、例えば、はじめてのお客様のところに朝10時に行くとかだと、10時までに間違いなく相手のところに着けるように何度も「考える」。

住所に間違いはないだろうか、電車の経路はどう行けばいいだろうか、着いてからの経路は合っているだろうか等の点を何度も「考える」。

しかし、これが先の売上目標だったり、その他の業務目標だったりすると、やる前からすぐに無理だという発想になってしまう。

もしここで、目標を達成するのが「あたりまえ」だったら、「無理です」と言う前に、なんとか達成するためにいろいろ「考える」。

著者は次のように述べている。

「目標のノルマが高いか低いかは関係がない。
 目標達成が「あたりまえ化」しているコンサルタントは、期限まで数え切れないほど考えています。
 どうすれば達成するかを考えているのです。」(p29)

また、思考が「あたりまえ化」している人とそうでない人の特徴について次のように述べている。

思考が「あたりまえ化」している人
  • 時間が未来から流れてくる
  • 目標から逆算してやるべきことをすぐにやる
  • どこかに行く際に遅刻しないように行動する

思考が「あたりまえ化」していない人
  • 時間が未来に向かって流れていく
  • 現状ベースで「できるかぎり」で考える
  • どこかに行くにしても遅刻する可能性大

(p32)

こうしたこと踏まえ、達成できないのは思考が「あたりまえ化」していないことだと述べている。

「決めたのにやりきれない。結果を達成できないのは、スキルがないからだとか、うまくいく方法を知らないからだという以前に、思考が「あたりまえ化」していないことが根本的な原因なのです」(p33)

逆に、「あたりまえ化」することで、アイデアも出てくるし、行動にもつながる。

「言い訳ばかりの人は、「考える」数も少ないでしょうし、「考える」深さも足りません。
 実際に目標を達成するかどうかは別にして、思考が「あたりまえ化」している人は、普通の人と比べて創意工夫するレベルがまるで異なってきます。そうすると、自然に「アイデア脳」が鍛えられていきます」(p183)

この「あたりまえ化」を実現するための考え方やテクニックがいろいろと紹介されていて参考になった(期限を2つ折りで定める倍速管理とか)。

あたりまえのことなんやけど、あたりまえなだけにシンプルで深いなーと感じ、あたりまえのレベルを上げていきたいと改めて感じさせてくれた一冊やった。

 

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