頑固な羊の動かし方―1人でも部下を持ったら読む本
大学やビジネススクールではなかなか学びづらい「人の扱い方」を羊飼いの知恵に託して教えてくれる本。
MBA卒業を間近に控えたビジネスマンの主人公が、ある教授にマネジメントの個人レッスンを受けるという物語。
レッスンの内容が独特で、羊がいる牧場で行われる。羊飼いの知恵をもとにマネジメントのポイントを主人公が学んでいくという内容。
最初は無理やり結び付けてる感もなくはないかなーと思ったけど、やっぱりこうやって比喩が使われていると結構入りやすい。挿絵もイメージが沸くように適宜入っていて読みやすかった。
■なんで羊飼い?
読み始めに、なんでわざわざ羊飼いの比喩を使うのかなという疑問を持ったけど、読んでいくとなるほどと思えたし、訳者のあとがきの説明でなるほどと思った。
「『羊飼いの知恵』といわれても、あまり日本人にはピンとこないかもしれないが、歴史を紐解けば、羊の飼育は八千年も前からされていたという。つまり、数千年のときを経てつちかわれてきた知恵なのだ。そして、その知恵が、驚くほど人の扱い方にもあてはまる。たしかに、数十、いや数百匹もの羊を導く羊飼いの姿は、こんにち、組織を率いるリーダーとだぶるところがある。
私は、動物とのコミュニケーションにこそリーダーシップの真髄があると信じている」(p180)
特に、リーダーシップについて述べている以下の一節は印象に残った。
「羊たちは、すぐ目の前の草に目が行ってしまう習性がある。だから、だれかが群れの進む方向を見ていなくてはいけない。
これは人とて同じだ。人々も、つい自分の仕事にだけ没頭し、その日が終わるまで頭を上げようとしない。だから、いつもリーダーが遠くを見まわして、どこに縁の草が生えているかを見つけなくてはならない。またリーダーは、群れがバラバラにならないように見張って、彼らを進むべき方向へと導いていかなくてはならない」(p112)
■羊飼いの知恵とマネジメント
具体的にどういうぴおんとが述べられているかというと、訳者があとがきであげている問いがよくまとまっている。
これらのポイントはマネジメントの上でとても重要やと思うけど、これが羊飼いと共通というのが本書の物語の中で述べられている。具体的には次の7つのカテゴリー。
最初は牧場になんか連れてこられてちゃんと教えてくれんのかよ?といった感じで疑問を持っていた主人公が、教授の意図を少しずつ悟っていき学びを深め、最後の卒業に際しての教授との会話は結構感動的でグッとくる。
羊飼いの知恵一つ一つも参考になるし、それに加え、やっぱ比喩と物語の持つ力は大きいなーと思わせてくれた一冊やった。
大学やビジネススクールではなかなか学びづらい「人の扱い方」を羊飼いの知恵に託して教えてくれる本。
MBA卒業を間近に控えたビジネスマンの主人公が、ある教授にマネジメントの個人レッスンを受けるという物語。
レッスンの内容が独特で、羊がいる牧場で行われる。羊飼いの知恵をもとにマネジメントのポイントを主人公が学んでいくという内容。
最初は無理やり結び付けてる感もなくはないかなーと思ったけど、やっぱりこうやって比喩が使われていると結構入りやすい。挿絵もイメージが沸くように適宜入っていて読みやすかった。
■なんで羊飼い?
読み始めに、なんでわざわざ羊飼いの比喩を使うのかなという疑問を持ったけど、読んでいくとなるほどと思えたし、訳者のあとがきの説明でなるほどと思った。
「『羊飼いの知恵』といわれても、あまり日本人にはピンとこないかもしれないが、歴史を紐解けば、羊の飼育は八千年も前からされていたという。つまり、数千年のときを経てつちかわれてきた知恵なのだ。そして、その知恵が、驚くほど人の扱い方にもあてはまる。たしかに、数十、いや数百匹もの羊を導く羊飼いの姿は、こんにち、組織を率いるリーダーとだぶるところがある。
私は、動物とのコミュニケーションにこそリーダーシップの真髄があると信じている」(p180)
特に、リーダーシップについて述べている以下の一節は印象に残った。
「羊たちは、すぐ目の前の草に目が行ってしまう習性がある。だから、だれかが群れの進む方向を見ていなくてはいけない。
これは人とて同じだ。人々も、つい自分の仕事にだけ没頭し、その日が終わるまで頭を上げようとしない。だから、いつもリーダーが遠くを見まわして、どこに縁の草が生えているかを見つけなくてはならない。またリーダーは、群れがバラバラにならないように見張って、彼らを進むべき方向へと導いていかなくてはならない」(p112)
■羊飼いの知恵とマネジメント
具体的にどういうぴおんとが述べられているかというと、訳者があとがきであげている問いがよくまとまっている。
- 一人ひとりの状態を把握しているか?
- 各個人の個性を引き出しているか?
- 自分のビジョンがうまく伝わっているか?
- 彼らが安心して働ける環境をつくっているか?
- 自ら先頭に立ってチームを導いているか?
- ときには毅然とした態度を取っているか?
- 人として愛情を持って、彼らに接しているだろうか?
これらのポイントはマネジメントの上でとても重要やと思うけど、これが羊飼いと共通というのが本書の物語の中で述べられている。具体的には次の7つのカテゴリー。
- 一人ひとりに目を向ける
- 羊たちの強みをつかむ
それぞれの個性を引き出す - 羊と信頼関係を結ぶ
自分の哲学を伝える - 安心できる牧草地をつくる
部下が力を出せる環境をつくる - 杖でそっと彼らを導く
人を導く四つの方法
明確な目標を定め、自らが先頭に立ってチームを導く
自由を与えながらも、境界線は明確に示す
立ち往生している部下には、手を差し伸べる
失敗で落ちこんでいる部下を励まし、元気づける - 毅然とした態度で守る
本気で恕らなくてはならないときがある - 羊飼いの心を身につける
時間、エネルギー、情熱を注ぎ、相手を信頼し、
目標を示してそれに群れを動かすという生き方
最初は牧場になんか連れてこられてちゃんと教えてくれんのかよ?といった感じで疑問を持っていた主人公が、教授の意図を少しずつ悟っていき学びを深め、最後の卒業に際しての教授との会話は結構感動的でグッとくる。
羊飼いの知恵一つ一つも参考になるし、それに加え、やっぱ比喩と物語の持つ力は大きいなーと思わせてくれた一冊やった。
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