2012年12月8日土曜日

「営業マンは断ることを覚えなさい」という話もそれはそれで面白かったけど、それより販売活動の仕組み化の話が考え方の整理になった



営業マンは断ることを覚えなさい (知的生きかた文庫)

タイトルの「営業マンは断ることを覚えなさい」とか「断れば断るほど、物は売れる」(p4)っていうのをパッと聞くと「エー?」って感じがしたけど、ロジックを読んでみると頷けるところが結構ある。


■お客様との関係は五分五分
考え方のベースは以下のような商取引の原則。

「営業の仕事をしていると、買ってもらうことに集中してしまって「その商品やサービスをお客様が買うことで、お客様にも利益が発生している」という、本来の商取引の原則を忘れてしまうということが良くあります。
 商取引の原則というのは、お互いに利益が発生するから取引が始まる、取引が成立するということなのですが、本来営業というものは、この取引にあたるもので、どちらかというと交渉に近いというのが正しい考え方なのです」(p65)

この上で、どういう営業マンから書いたいかということを考えた時に以下の問いが紹介されている。

「ペコペコして、何でもしますという営業マンと、聞いたことに対してしっかり答えてくれて、できないことはできないとハッキリ言う営業マンがいたとして、どちらから買うか?」(p21)

著者は後者でしょうと言っているけど、確かに自分もそう思う。そういうイメージを払拭するためにあえて刺激的な言葉を使った感じ。


■営業マンのイメージ教育は入社前から始まっている
これに関連して、以下の話が冒頭に書いてあった。

「営業マンの教育は、営業に対するイメージを変えるところから始める」(p18)

これはなぜかというと…

「小さな頃からテレビドラマや大人たちの会話の中で、「営業マンは、買ってもらうためには何でもします。」とか、「お客様は神様です。」という営業のイメージを、何度も何度も見たり聞いたりして教えられている」(p19)

確かに自分も会社に入るまでは、なんとなくこういうイメージを持っていた。こういったイメージに影響されて、上記の商取引の原則も忘れられ、きちんと商品のメリット・デメリットをお客様に伝えるということができなくなっているということ。


■4ステップのマーケティング
後半部分は販売活動の仕組み化の話で、特に、最近「リードナーチャリング」という言葉で流行っている内容と通じる話なので結構考え方の整理としては参考になる。

読んだのは文庫版で2007年発行やけど、元の本は2003年に発行されたっぽいので、その時はたぶん「リードナーチャリング」という言葉が認知されてないか無かったかで、「見込客フォロー」という言葉であらわしている。

具体的には次の4ステップに整理されている。

①集客=見込客(自社の商品やサービスを買う可能性のある人、会社)を見つける、多く集めること
②見込客フォロー=見込客をフォローして買いたいお客様に育てる
③販売=実際のセールス 買いたい見込客に多く会う、主導権を持った販売
④顧客化=お客様をフォローして、リピート販売・新商品購入・紹介につなげる
(p97-98)

なぜこういうふうに整理するかというと、今は営業マンが全部これをやらなければならない想定になっている、だから営業は難しい、大変ということになる。

それを仕組み化して担当を切り離して分担することで、営業は「興味を持っているお客様に数多く会って販売する」(p140)ステップに集中できるようになり、コスト効率や教育効果も高まるという話。


集客や見込客フォローのステップで具体的な取り組みの実例も紹介されていて、考え方の整理とアイデア集として参考になる一冊やった。

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