2012年12月1日土曜日

「明治 日本の独創力」で感じる道を切り拓く明治人の想いや気魄

NHKスペシャル明治 1 日本の独創力 (ホーム社漫画文庫)

渋沢栄一の話が載ってたのと、漫画で読みやすそうだったので借りてみた本。

こういう歴史系のベタな漫画は高校以来くらいで懐かしい感じやった。

扱われているのは以下の人々。


  • 渋沢栄一
  • 山辺丈夫
  • 森鴎外
  • ヘンリー・ダイアーと田邉朔郎
  • 夏目漱石
渋沢栄一や森鴎外、夏目漱石はさすがに知ってたけど、他の3人は知らんかった。それぞれの国づくり、人づくりにかける想いが描かれていたけど、特に山辺丈夫という人の話が印象に残った。

山辺丈夫は明治時代に日本に最新の紡績技術を導入した人。渋沢栄一にイギリスで紡績技術を学ぶように依頼を受ける。

それを引き受け、日本の将来のためにという思いで紡績技術を学ぼうとしたが、当初はどこの工場も受け入れてくれない中でいろいろ回ってようやく学ばせてもらえるところを見つけ、そこで得たものを日本に持ち帰って紡績業発展に貢献。

何せ工場作るところから初めてのことなので苦労しながら技術者を育てる。工場の火災を防ぐため工業用としては初めて電灯を導入したり工夫を重ねる。

事業は成功したけど給料はそこまででもなかったので、 他の会社から高給を条件にして引き抜きを持ちかけられても一切取り合わなかったとのこと。

また、他の工場から頼まれると、育てた部下に推薦状をつけて送り出し、自分のことではなく国のためになることを優先。

漫画の中のセリフでは以下のように述べている。

「私は自分が金持ちになりたくてやっているんじゃない。日本全体が豊かになればそれでいいんだ」

偉大な人物やけどあんまり知られとらん気がするなー。今は工場の跡地には小学校とか遊び場しか残っておらず、一本の石碑が立っているだけらしい。

この本に出てきた人はみんな海外に学びに行ってるけど、国がなんでも整えてくれるわけじゃなくて、お金だけもらって後は自分で何もかも手配せんといかんかったみたい。お金ですら十分ではなく、切り詰めて本を買ったりしてたということ。

新しい道を切り拓くっていうのはそういうことなんやろうなー。改めて明治時代に生きた人の想いや気魄を感じる一冊やった。

0 件のコメント:

コメントを投稿