3Dコピーライティング
大学在学中に作詞家デビューをされ、今は作詞家&コピーライターとして仕事をされている方のコピーライティングについての本。
3Dというのは、意味、音味(音感)、形味(文字の形:字面)の3つの角度からコピーをチェックするという見方。
内容をみると、形味の話は少なくて、残り2つの中でも音味中心という感じ。語感やリズムを結構重要視している。
■全体の構成
構成は大きく以下の3つ。
- コピーライティング
- ネーミング
- 作詞
最後の作詞のパートは、詩と作詞のエキスをビジネスに活かせば百人力みたいなことを著者が書いていたけど、実際に紹介されているのは石川啄木や中原中也の詩、果ては万葉集の額田王の歌とかなので、ちょっと活用シーンはイメージしづらかった…
著者が作詞の仕事をしていたので書きたかったんやとは思うけど…あと、コラムのQ&Aも作詞に関する話が多くてあんまり本文の説明とのつながりも分かりづらかった(作詞の印税の分配の話とかもあって、それはそれで興味深いけどコピーライティングって感じではない…)。
説明の仕方も感性的な感じなので具体的な手法について学ぶのは難しかった。そのあたりは左脳派の自分にはちょっとレベルが高かった…
けど、左脳で論理を詰めていくだけでなくて、こういう感覚みたいなのもコピーづくりには大事なんやろうなーと思った。
■実例付きでポイントを紹介
整理の仕方や着眼点としては参考になるところもいくつかあった。例えば、対象と何かを同定するという技法。
具体的には、断定のパターンでサッポロビールの「ビールづくりは、農業だ」という例や並列というパターンでカゴメの以下のようなコピーが紹介されていて、なるほどそういうパターンねということが分かりやすかった。
「トマトと母乳。
トマトと皮膚。
トマトと寿命。
トマトと血管。」
こんな感じで、1ページ1パターンの解説+実例という感じなので、解説が多少ふわっとしていても実例でなんとなくイメージが分かるようにはなっている。ただ、実例の元ネタが分からないものもあってそのへんは難しかったけど。
■ネーミングの十戒
いくつか紹介されていたチェックポイントの中では、ネーミングのチェックポイントが参考になりそうと思った。
あんまり商品名を考えたりつけたりする機会は今のところないんやけど、もし機会があったら参考にしようと思った。ポイントとしては以下のあたり。
- メリットは凝縮されているか
- カンタンか
- 個性派あるか
- 耳に気持ちいいか
- アイ・キャッチーか
- メモリーしやすいか(覚えやすいか)
- 口あたりがいいか
- あーとしているか
- フィットしているか
- 商標登録OK?
全体的にはBtoBよりBtoC向け、マス向けという感じがする。商品や事業の全体のキャッチフレーズ、スローガン等、大きなものを考える時にアイデアの引き出し方として1つの参考にはなる一冊やと思った。
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