2012年10月24日水曜日

「地域を変えるデザイン」は専門家だけの仕事ではなく生活者の力を活かせる仕事


「地域を変えるデザイン コミュニティが元気になる30のアイデア」読了。デザインというより各地域の取り組み集が主やけど読みやすいし考え方の部分と実践の部分と両方入った内容で両方面白かった。

デザインとタイトルに入ってる本だけあって構成も見やすいし、写真がふんだんに使われていて雑誌みたいに読みやすい。

三部構成で、最初に日本の現状を1pに1テーマで解説。数字と図解で分かりやすい(ちょっと端折り過ぎな部分や気になる部分もあるけど、わかりやすさ優先ということかな)。

そこのテーマの話は知ってる話も含めて良い整理になる。
例えば、男性の就業時間と出生率、女性の就業率と出生率の散布図。
これだけでも考えさせられることが結構ある。



自分の実家のある宮崎と奥さんの実家の沖縄が目立つ位置にあるのが面白かった(笑)

最初のパートに続いて、真ん中の部分がメインで、具体的な事例を紹介。個人的には「君の椅子」っていうプロジェクトが素敵やなーと思った。


北海道の東川町っていうところで、生まれてきた子どもに手作りの世界に1つだけの椅子をそれぞれにプレゼントするという取り組み。他にも良いなと思ったものもたくさんあった。

最後のパートはデザイン思考についてやけど、「市民デザイナーの誕生」、「生活者のちから」っていうキーワードが印象に残った。

「デザインやデザイナーと聞くと、どうしても建築、プロダクト、ウェブなどのカタチを造る行為、造ることができる特殊な能力の持ち主のことを想像しがちです。しかし、決してそうではありません。」(p237)

「専門家だけが力を発揮する時代ではありません。社会の現実をまっすぐ見つめ、複雑に絡み合った要因を読み解き、問題の本質に近づくことができれば、だれもが人の心に訴えられるアイデアをつくり、社会を動かすことができるはずです。ごく普通の市民が知恵を絞り、デザインの力を操る、そんな市民デザイナーが地域を変える時代がすでに始まっています。」(p237)

「今の日本に求められるのが、社会に幸せなムーブメントを起こすデザインです」(p2)
と言ってるだけあって、単にモノやカタチを作ったりする行為だけでなく、実際の課題解決につながる行為を意識した視点になっていて面白い内容が多かった。

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