2012年11月28日水曜日

考え方と行動実践のコツを押さえやすい「リーダーのための7つのステップ49のコツ」

リーダーのための7つのステップ49のコツ

特にリーダーシップ、マネジメント、チーム、人材育成、生き方、働き方といったあたりのキーワードに関する本を書いている著者のちょうど10冊目の本。

これまでの本で、リーダーやマネージャー向けのノウハウを書いて来たものの、それぞれ内容が分散してしまっていた。それをこの本を書いた時点のものすべてを統合して書いたのが本書。

確かに、同じ著者の別の本を何冊か読んだことあるけど、内容的には重なっているところも少なくないけど、体系的に読むという観点ではいろんな話がこの本に集約されてまとまっている感じ。

著者自身も「現段階でのベストな入門書ができた」(p220)と述べている。また、仕事観や人としてのあり方について述べられている部分も多く、「ノウハウ書というよりは、生き方に通じる指南本である」(p220-221)と言っても良いと述べている。


■「ステップ」で考え方を学び、「コツ」で行動につなげられる
本の内容は、パートごとに読みやすい分量で項目が区切られていて、図表も活用されていて読みやすい。

また、それぞれの心構え的な「ステップ」が本編で述べられているけど、それに関連して具体的にどう行動に落とし込んでいけばよいか「コツ」が巻末にまとめられていて、行動や制度につなげやすい。

コツは49あるので全部をすぐにやるのは大変だし難しいとしても、49もあるので何がしかは参考になる可能性が高いと思う。また、コツの内容もそれぞれの考え方をどう実践していけば良いかがイメージしやすい構成になっているので、考えかただけではなく、具体的なアクションを考える際の参考にもなる。


■当たり前のことをやるかやらないか
「コツ」の部分で紹介されている手法は、そんなに目新しい方法でも奇抜な方法でもない。いわば当たり前のもの。でも、何が大事かというと、当たり前のことをやるかやらないか。

この点に関して、著者の次の言葉が印象に残った。

「私は社会に出て、20年以上経ってようやく気づいたことがあります。それは成功するかしないかの差は「誰も知らない秘密の方法」を知っているかどうかではなく、「誰もが知っている当たり前のこと」をやるかやらないかで決まる、というものです。
 私たちはえてして「当たり前のこと」を知ってはいるものの、実行していません。そうしておきながら、うまくいかない、何かよい方法はないか、などとウルトラCを探してばかりいるのです。
 そうではなく、誰もが知っている当たり前の小さなことを積み重ねる。政治や社会を動かせなくても、自分ができる小さなことを黙々とやり続ける。そういう人が、人から尊敬される大きな器のリーダーになるのだと思います」(p165)

これは頭の中に置いておきたい。思い返せば、大学卒業の時に研究室の先生から贈られた言葉も「当たり前のことを当たり前にやる」っていう言葉だったよなーというのを思い出した。


■リーダーシップとはテクニックではなく生き方
最後に、巻末で著者は、本書を通じて一貫するメッセージとして、以下をあげている。

「リーダーシップとはテクニックではなく、生き方そのものである」(p220)
別の言い方では、「How to Do」(どうするか)ではなく「How to Be」(人としてどうあるか)がすべてであると述べていて、次のようにも述べている。

「いくら上手に部下を褒めたとしても、そこに心がこもっていなければ、部下
 どんなにカッコイイ経営計画書をつくったとしても、そこにあなたの情熱がなければ、決して実現することはないでしょう。
 どんなに理路整然と部下の問題点を指摘したとしても、そこに相手への愛情がなければ、部下はそれを受け容れないでしょう」(p220-221)

生き方の話になってくると、一筋縄ではいかない。そうすると尻込みしそうになってしまうけど、著者も自分自身の失敗の経験を踏まえ応援のメッセージを送っている。

著者自身も同じ失敗を何度も繰り返し、後から「またやってしまった!」と気付きながら少しずつ「あり方が」変わっていったことを踏まえ、次のように述べている。

「それでいいのです。1回めよりも2回め、さらには3回めと、繰り返すたびに骨身に沌みて理解が進む。そして気づいた時には、あなたの「あり方」が変わっている。それでいいのです。
 その意味でも、1度読んだだけで終わらせずに、1年後、3年後にもう1度、目を通していただきたいと思います。きっと新たな発見があるはずです。なぜなら、「あり方」は一朝一夕には手に入らないから。時間がかかるものだからです」(p220-221)

どういう「あり方」を目指すべきなのかを考え、失敗したときに気づきにつながるのに参考になる一冊やった。また時間を改めて内容は読み直してみたい。

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