2012年11月8日木曜日

自分のキャリアのよりどころを探る上で一つの指針になる「キャリア・アンカー」という概念


キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう (Career Anchors and Career Survival)

キャリアについての本や記事で参照されるのをよくみる「キャリア・アンカー」という概念についての本。

巻末にはキャリアについての考え方を探るためのアンケートというかワークシートのようなものがついているので、その質問の立て方とかも結構参考になる。

本のメインテーマであるキャリア・アンカーとは何かというと…

「キャリア・アンカーとは,あなたがどうしても犠牲にしたくない,またあなたのほんとうの自己を象徴する,コンピタンス(訳注:有能さや成果を生み出す能力)や動機,価値観について,自分が認識していることが複合的に組み合わさったもの」(p1)

これだとイマイチよくわからないけど、解説では「長期的な仕事生活の拠り所」とされていて、もう少し詳しく説明されている。

その内容が以下。

(a)能力, 欲求,価値についてのセルフ・イメージ(自己像)である
(b)節目節目のきっかけがないと,はっきりと自覚されない自己像である
(C)一人で自己内省するより,同僚や配偶者との対話から浮かび上がる自己
像である
(d)組織,仕事を変遷しても「自分としては絶対に捨てたくない」コア(核)である
(e)キャリア・ダイナミクス(仕事生活の動態)の中の基軸(不動点)である
(p95)

この中で言うと、(d)の「組織,仕事を変遷しても「自分としては絶対に捨てたくない」コア(核)」が一番わかりやすいかも。

「アンカー」というのは船の「いかり」という意味なので、要するに、自分のキャリアを考える際に何を基点にするか、何を重視するかということだと思う。

具体的には以下の8つのタイプがあるということ。

・専門・職能別コンピタンス(Technical/FunctionalCompetence,TF)
・全般管理コンピタンス(General Managerial Competence,GM)
・自律・独立(Autonomy/Independence,AU)
・保障・安定(Security/Stability,SE)
・起業家的創造性(Entrepreneurial Creativity,EC)
・奉仕・社会貢献(Service/Dedication to a Cause,SV)
・純粋な挑戦(Pure Challenge,CH)
・生活様式(Lifestyle,LS)
(p26)

自分がプロフェッショナルとして専門能力を高めていくことを重視する人もいれば、保障や安定を重視する人もいる。

起業家的に新しいものに挑戦したり新しいものを生み出したりしていきたい人もいるし、社会貢献を重視する人もいる。

そのあたりについて、解説にも書いてあるように、以下の3つの問いを考えると明確になってくるだろうということ。

・「自分はいったいなにが得意か」
・「自分は本当のところなにをやりたいのか」
・「なにをやっている自分に意味や価値が感じられるのか」

この問いは、自分自身に問う時にも、会社でのマネジメントの際にも参考になる問いやなーと思うのでメモっておきたい。

自分のキャリアのよりどころを探る上で一つの指針になる概念やなーと思う一冊やった。

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